SMAPのファンじゃないけど

SMAPのファンではないけれど、解散のニュースはとても淋しく感じる。 さっき見たテレビでは、カンニングの竹山さんが「身内を失った時と感覚が似ている」と言っていた。かなり的確だなあと思う。それくらい、自分の生活にあたりまえのように存在しているということだ(そういえば、小学校の卒業式のテーマソングはSMAPだったなあ)。

そもそも正直なところ、私は音楽一本でやってきている「アーティスト」を応援している手前、「アイドル」が音楽番組に出るのはあまり好ましく思っていなかった。 だけど、3年前、とある番組の観覧に行ったときSMAPを生で拝見する機会があった。その日を堺に「国民的アイドル」の、「SMAP」の、凄さを身をもって知った。

その観覧はほとんどがSMAPのファンでうめつくされていた。スタジオがいくつかあったけれど、その8割~9割はSMAPのファン。中居くんが生で長時間司会をする番組だった。

私が自分の観覧の時間になってスタジオに入る前から、既に放送中の別のスタジオで中居くんは司会としてお仕事をしていた。それだから当然疲れも見えている。CM中はほんとうにつらそうにしていたけれど、カウントがかかるとぴしっと立って進行をこなす。スタッフさんが間違えてキューをかけたときは「ねえ、ほんとに勘弁して!!笑」と言っていたけれど本当に怒った感じではなくて笑いに変えちゃうような暖かさもあった。

生放送の観覧だったために、その時に実際にオンエアされるCMはスタジオにあるモニタでも映される仕組みになっていた。SMAPが出ているものが当然ながれる。そうすると、本人たちが居ないのに、ファンの方々が黄色い歓声を「盛り上げるため」ではなくて「ほんとうに心から絶叫する感じ」で上げていた。これが、アイドルの魅力なんだなあ、としみじみ思った。

そして、SMAP全員が出演するパートやってきた。 2つのスタジオを横断する形で、多くのファンと触れ合えるような構成になっていた。 こちらのスタジオにもCM中に彼らがスタンバイした。とっても近い距離で。

正直、アイドルなんて、とか思っていたのが普通にふっとんだ。 「わあ、すごい!!!SMAPだーーーー!!!」となった。 なぜかというと、ぼんやりと「こういう人だろうなあ〜」と想像していたそのままの姿がそこにあったからだった。

  • 中居正広さんは、司会の中居くんとしてずーっと番組をひっぱってきていた *1し、
  • 木村拓哉さんからは、完璧にかっこいいオーラ、まさに「キムタク」のオーラが出ていた。
  • 稲垣吾郎さんは、独特な立ち方で髪の毛をいじっていた。
  • 草なぎ剛さんは、びっくりするほど優しい微笑み方でファンの方々の声に耳を傾けていた。
  • 香取慎吾さんも、ファンの方をとっても優しい目で、にっこりと笑顔で頷いていた。

わあ、これがアイドルか。と思った。なるほど、これがSMAPか。と思った。 本当の素だとしても、演じきっているのだとしても、生で見るその細部までSMAPなのだ。 ファンの人達が熱狂して、歓声をあげたくもなるような雰囲気がそこにあった。 ファンの方々の声援をほんとうに心から嬉しそうに受け取って、そしてしっかりとそれに応えている姿が今でも印象にのこっている。

そんな光景を目の当たりにして、SMAPを、アイドルを見る目が変わった。 ほんの数分間、ファンではない私が見ても、すごいな、と感じる取る要素がそれだけ詰まっていたのだ(長いことファンをされている方からしたら、もっと違う側面もあるから素敵なのよ!!!というポイントもお有りだろうとおもうけれど)。 それ以来、SMAPやアイドルを見る目が変わった。彼らは彼らとしての使命や役割を、全身全霊で果たしているのだと知ったから。

意図せず、「SMAPをとっても近い距離で、見たんだよ!!」という経験が、その時以上に貴重な経験となってしまった。 そういうことも含めて、淋しい。と思う。

ファンではない、こんな一瞬見ただけの通りすがりにも、強烈な印象を残すほどのパワーがあったのだということを知って欲しくて。観覧の思い出を記した次第です。

*1:ちなみに、観覧が終わって、家でテレビをつけるとまだ同じ番組で中居くんが司会を続けていた。 さっき見たままの中居くんだった。